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雑記

サイドメニューの 呪縛

シンプルなデザインが良い事は分かったけど、最小限のメニューはあった方が良いんじゃないか。

私もそう思っていた頃がありましたし、今も、メニューが全て悪いとは思っておりません。ページの上部と下部に、メニューを設置しています。

特にパソコンで閲覧されている方の中は、この左右の余白にもメニューやカレンダーが欲しい、とおっしゃる方もいらっしゃいます。その気持ちはとてもわかります。

サイドメニューの一番の欠点は、「記事の途中で離脱してしまう」事です。

記事途中のメニュー操作は、ページビューも押し上げるため、一見良い傾向にあるように見えますが、結局、一番読んでもらいたい記事が、途中で離脱されてしまうとも言えます。戻ってきて続きを読んで貰えれば良いですが、70%の閲覧者は、リンク先から二度と返って来ません。Wikipediaでどんどんリンクを辿ってしまったとき、最初のページに戻ってきますか? おそらくそのまま閉じてしまっていると思います。

まずは、「一番用事があるはず」の、この記事を読んでもらいましょう。


もう一つ、とても単純な理由があります。

このリンク先から、自分の地域の天気予報を調べてください。

さすがに、さっき「リンク先からは戻ってこない」話をしたばかりなので、多くの方が戻ってきてくださったと信じます。

さて、皆さん、難なく自分の地域の天気予報にたどり着けたと思います。その時、メニューを使いましたか? 使った方もいらっしゃるかもしれませんが、検索窓に「地域名 天気予報」と入力するのが一番早いのです。

一般のページであれば、Google などの検索サイトから来ると思います。メニューを充実させるより、検索サイトから一発で適切なページに誘導できるよう、良い意味での検索エンジン最適化(SEO)を行う方がずっと大事です。


最後に、これはモバイル特有の理由ですが、やはりモバイルは画面が小さいし、時にネットワークは不安定です。どんなときも、メインコンテンツを一瞬で表示させたいのです。45%のユーザは、読込に2秒以上かかると「戻る」を押してしまうという統計もあります。たまたまネットワークが遅かったぐらいで、皆様の貴重な商機を逃し無くないのです。


いつも遊ぶアプリのメニューを毎日開きますか? どのアプリも、ユーザが使う機能は、ボタンとしてメニューの外に表示しているはずです。Webサイトも同じで、そんなに重要なメニューなら、むしろそのリンクはメニューの中なんかに入れてはいけません。

パソコンの画面が WXGA(1366×768) になった頃のWebサイトが、余ったサイドにメニューをねじ込み始めたのが2002年頃ですが、あれから20年、閲覧者の85%はスマホで、スマホユーザはサイドメニューを必要としません。


「パソコンで見るならサイドメニューがあった方が良い」

これも何百回と訊きました。2008年に100人規模の調査を行いましたが、8割近いユーザが「パソコンとスマホで見た目が大きく異なると混乱する」と回答しています。今は「スマホファースト」でデザインし「パソコンでも出来るだけ同じ見た目にする」方が素直なのです。

サイドメニューの呪縛から皆さんを解放すべく、私はこのテーマを推しています。

作成者: 槌本 裕二

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